EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン


岡村 恒一 氏 株式会社オカムラ食品工業 代表取締役
岡村 恒一 氏

株式会社オカムラ食品工業
代表取締役


水産業の成長産業化 ~持続可能な開発を地方から~

魚卵およびサーモン関連事業を、原料(養殖)から加工・販売まで一貫して手掛け、グローバルに展開することにより、日本およびアジアの外食産業が抱える共通課題(不安定な原料供給、慢性的な人手不足、不効率なサプライチェーン)の解決に取り組む。


プロフィール

大学卒業後、1987年に父が経営する同社へ入社、1997年から現職。
青森で産学官協力の中心となり、サーモンの大規模海面養殖を実施している。2017年経産省「地域未来牽引企業」に選定。2018年水産庁が「全国海面サーモン養殖推進協議会」を設立。地域社会と企業の協業への取り組みという弊社方針を国内サーモン養殖のモデル事業として位置付けている。
 

起業に至った動機

会社は父が創業し、2003年大規模な火災発生の4年前に自分が引き継いでいた。火災により会社の資産を殆ど失ったことで、チャレンジする恐れが無くなり、二代目経営者にありがちな守りを重視する経営スタイルから思い切った攻めの経営へと転ずることができた。創業者である父親が築き上げてきた会社の自己資本を全て失うという文字通りゼロからの出発が攻める勇気を与えてくれた。火災を契機に海外事業者の買収やベトナム加工の本格化、海外外食産業、海外卸売事業を展開。課題に対して解決のための「行動」が今日の礎となっている。
 

今後のビジョンについて

海外での事業展開では、パートナーもイコールパートナーであることから、相手の利益を第一に考える必要性を学んだ。その在り方は、サーモン養殖事業の合意形成で役立つ事となる。養殖事業での企業参入となれば、漁業法により優先権のある漁協との合意形成が必要となる。しかし、育成に際して河川や井水を大量に使用する事から、行政等各関係者との連携も必要となる為、相応の時間と説明が必要となるが、企業側が地域社会のベネフィットを考慮する姿勢の有無が問われる。疲弊する地方、消滅可能性都市とされている地域で、地域社会のベネフィットとなる様な開発を推進する事で地方創生の一助としたい。

オカムラ食品工業


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