Question
平成19年度税制改正により認められる残存簿価を償却終了後5年間で均等償却する処理が会計上も認められるのはどのような場合でしょうか。
Answer
法人税における減価償却の取り扱いについては、平成19年改正で残存価額という概念が撤廃されました。つまり、残存価額については、旧定額法、旧定率法においては取得原価の10%を償却率の基礎として計算し、取得原価の95%まで償却していましたが、備忘価額1円まで償却が可能となりました。すでに償却可能限度額(取得価額の95%)まで償却されているものについては、備忘価額1円を残して5年で均等償却することが認められています。このため、会計上も法人税法に従って減価償却方法および残存価額を採用している場合に限り、この5年均等償却を妥当な会計処理として認めています。
(1)平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産(既存資産)
①法人税法上は、税法上の償却方法、耐用年数および残存価額に基づいて償却可能限度額(取得原価の95%)まで償却した後、5年間で備忘価額1円まで均等償却することができます。
②会計上は、当該資産が引き続き事業活動に利用されている場合は、残存簿価の処理方法は従来と変わらないことを原則としますが、法人税法の規定により5年間で均等償却を行い製品原価または通常の期間費用として処理している場合は、監査上妥当なものとして取り扱うとされています。
(2)平成19年4月1日以後に取得した資産(新規取得資産)
5年間で均等償却するのではなく、残存簿価は除却等の処分を行う時まで据え置かれることになります。
根拠条文
- 減価償却に関する当面の監査上の取扱い 4 (3)②