Question
会社法では、従来の利益処分案が作成されませんが、任意積立金の積立や取崩といった剰余金の処分に関しては、すべて株主総会の承認が不要となったのでしょうか。
Answer
任意積立金の内容により、会社法の手続きが以下のように異なります。
①租税特別措置法上の準備金(圧縮積立金等)
法令または定款の規定により剰余金の項目に係る額の増加または減少をすべき場合には、会社法第452条の株主総会の決議を経ないで行うことができるとされています。そのため圧縮積立金等については、税法に定める要件を満たし、会社が圧縮等の税務上の規定の適用を受ける意思がある場合には、決算手続として積立または取崩を行います。
②その他の任意積立金の場合
(i)積立
上記①のような法令または定款の規定によらない任意積立金の積立は、定時または臨時の株主総会の決議が必要となります。
(ii)取崩
株主総会の決議により積み立てた任意積立金に関して、その目的にそった取崩を行う場合には、株主総会の決議を経ないで行うことができるため、決算手続として取崩を行います。ただし、目的外取崩の場合には、株主総会の決議が必要となります。
根拠条文
- 会社法 第452条
- 会社計算規則 第153条第2項第1号、第2号