Question
建物賃貸借契約上、有形固定資産(例:内部造作)の除去などの原状回復が要求されている場合において、敷金が資産計上されているときに、当該有形固定資産に関連する資産除去債務の会計処理はどのようにすればよいでしょうか。
Answer
当該有形固定資産に関連する資産除去債務は負債に計上するとともに、これに対応する除去費用を資産計上することが原則的な会計処理となります。ただし、建物賃貸借契約において敷金を支出している場合、賃借建物に関連する資産除去債務とこれに対応する除去費用を負債および資産として両建処理すると、敷金と資産除去債務に対応する除去費用が二重に資産計上されるという見方もあり、資産除去債務に係る実務負担を考慮して、当該敷金の回収が最終的に見込めないと認められる金額を合理的に見積もり、そのうち当期の負担に属する金額を費用計上する方法によることもできます。
なお、後者の会計処理は、多数存在すると考えられる賃借不動産に関する実務上の負荷を考慮して設けられた簡便的な取扱いであり、敷金のうち原状回復費用に充当されると見込まれる金額について現在価値に割り引く必要は無いと考えられます。
根拠条文
- 資産除去債務に関する会計基準の適用指針 第9項、第27項、設例6