会社計算規則及び会社法施行規則の改正のポイント

2016年4月1日
カテゴリー 会計情報トピックス

会計情報トピックス 浅井哲史

法務省令第1号が平成28年1月8日に公布

企業会計基準委員会(ASBJ)から平成27年6月30日に「修正国際基準」(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)が公表され、金融庁から平成27年9月4日に連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(平成27年内閣府令第62号)が公布されたことを受けて、所定の株式会社に修正国際基準に従って連結計算書類を作成することを許容するための会社計算規則の一部改正、及び会社法の一部を改正する法律(平成26年法律第90号)の施行に伴う会社法施行規則の追加的な改正がなされました。

1. 会社法施行規則の改正の概要

会社計算規則第120条の2(米国基準で作成する連結計算書類に関する特則)を第120条の3とし、第120条の次に、連結財務諸表の用語,様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)第94条の規定により、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法について修正国際基準に従うことができるものとされた株式会社の作成すべき連結計算書類は、修正国際基準に従って作成することができる旨の規定を加え、会社計算規則第61条及び第120条の3について、所要の整備を行うものとしています。

2. 会社法施行規則の改正の概要

(1)社外役員及び社外取締役候補者の要件

会社法施行規則第2条第3項第5号ロ(2)及び第7号ロ(2)について、会社法第399条の13第5項(監査等委員会設置会社の過半数が社外取締役である場合)の社外取締役であること又は同項の社外取締役であるものとする予定があることを加えるものとしています。

(2)株主総会参考書類の記載事項

会社法施行規則第73条第1項第3号について、監査等委員が議案につき会社法第399条の5(取締役が株主総会に提出する議案等の法令・定款違反等の場合の監査等委員の株主総会に対する報告義務)の規定により株主総会に報告をすべきときは、その報告の内容の概要を加えるとともに、所要の整備を行うものとしています。

(3)電磁的記録に記録された事項の表示方法

会社法施行規則第226条第23号について、会社法第394条第2項(電磁的記録に記録された監査役会議事録の株主閲覧権)を同条第3項(電磁的記録に記録された監査役会議事録の債権者及び親会社社員閲覧権)において準用する場合を加えるものとしています。

3. 施行期日

本省令の公布日から施行とされています。

4. 経過措置

(1)会社計算規則の一部改正に伴う経過措置

改正後の会社計算規則第120条の2の規定は、平成28年3月31日以後に終了する連結会計年度に係る連結計算書類について適用し、同日前に終了する連結会計年度に係るものについては、なお従前の例によるものとされています。

(2)会社法施行規則の一部改正に伴う経過措置

この省令の施行の日(以下「施行日」という。)前に招集の手続が開始された株主総会又は種類株主総会に係る株主総会参考書類の記載については、なお従前の例によるものとされています。

また、施行日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る株式会社の事業報告の記載又は記録については、なお従前の例によるものとされています。

5. 改正案から修正された点

改正案から修正された事項はありません。

本稿は本意見募集文書の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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