会計情報トピックス 吉田剛
日本公認会計士協会から平成27年5月26日付で公表
平成27年5月26日付で、日本公認会計士協会(会計制度委員会)から「「税効果会計に関するQ&A」の改正について」(以下「本改正」という。)が公表されました。本改正は、平成27年度税制改正において、外国子会社からの受取配当金の益金不算入制度が一部見直されたことを受け、その税効果会計上の取扱いを示すものとなっています。
1. 本改正の概要
本改正により、「税効果会計に関するQ&A」Q12が改正されました。
税務上、外国子会社が配当した際に損金に算入されるような配当(※)について、平成27年度税制改正において、日本の親会社側で益金不算入(5%部分を除く。)としていた取扱いを改めて、益金算入されることとなりました。また、このように外国子会社配当益金不算入制度の適用対象外とされた配当等の額に対して課される外国源泉税等は、外国税額控除の対象又は損金算入されることとなりました。
本改正では、これら税務上の規定に対応する税効果会計上の取扱いが示されています。すなわち、当該配当については、子会社で損金算入される代わりに親会社で益金算入されることにより課税されますが、留保利益に係る連結財務諸表上の将来加算一時差異について当該留保利益を配当した際に子会社の所在地国で課税される場合には、親会社の個別財務諸表における税負担額から、子会社の個別財務諸表において損金算入されることに伴い親会社での税負担額が軽減されると見積られる税額を控除した額を、連結財務諸表において繰延税金負債に計上することになります。
なお、「税効果会計に関するQ&A」Q14については、復興特別法人税に係る税効果会計上の取扱いを示していたものであり、復興特別法人税が平成26年度税制改正において1年前倒しで廃止されていることから、本改正により当該Q14は削除されました。
(※)このような配当(損金算入配当)について、国税庁ウェブサイトでは、「外国法人から受ける配当において、その配当が現地国で費用になる、すなわち、損金算入されるものをいい、例えば、オーストラリア法人やブラジル法人から受ける配当がそれに当たります」と記載されています。
2. 適用時期等
Q&Aという性格から適用時期は特に示されていません。