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2020年12月16日

2020 FinTech Taipei

RegTech(レグテック): 世界の潮流と日本での推進に伴う課題

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要点

イギリスやアメリカがRegTech企業の大規模な市場シェアを占める中、日本におけるRegTechは黎明期にあるといえます。日本でRegTechを推進するにあたり、「Trusted Data」のためのデータガバナンスの構築やコンプライアンスカルチャーの醸成が重要な鍵となるでしょう。

EY JapanのRegTech(レグテック)リーダー 小川恵子パートナーが、日本のRegTechの第一人者として、TABF(Taiwan Academy of Banking and Finance)主催のグローバルイベント「2020 FinTech Taipei」にオンラインで登壇しました。

「2020 FinTech Taipei」は、銀行業/金融業におけるデジタルトランスフォーメーションやRegTechのトレンドをテーマとしたイベントで、昨年度は台湾首相も登壇した権威ある国際的フォーラムです。本年度は、台湾首脳のほか、イギリス、オーストラリア、カナダ、イスラエル、香港、日本を含む各国の政府関係者、専門家、スタートアップの起業家が登壇しています。日本からは、金融庁とBig4からの唯一の参加者としてEYが招待されました。

EY Japan RegTechリーダー EY新日本有限責任監査法人 金融事業部の小川恵子パートナーは、「The Development of RegTech in Japan」と題したセッションに登壇し、英ケンブリッジ大学オルタナティブ・ファイナンス・センターによるRegTech調査レポート「The Global RegTech Industry Benchmark Report」をもとに、世界のRegTechの潮流、そこでの日本の位置づけ、日本でRegTechを推進する際の課題とその解決に向けた取組みについてプレゼンテーションを行いました。

RegTechの現状

全世界でRegTech企業の雇用人数は推定44,000人、年間の収益は49億ドルにぼり、これまでに約97億ドルの外部資金調達をするまでに拡大していること、多くのRegTech企業はいま、データ収集やレポーティング、データ分析や意思決定を支援するダッシュボードに関わるサービスを提供していること、といったRegTech市場の現状についての紹介がありました。そして、RegTech企業の3分の2近くがイギリスに拠点を置き大規模な市場シェアを有しており、半数近くがアメリカにおいても同様の状況となっている一方、日本に本社を置くRegTech企業は全体の4%、日本で活動しているRegTech企業は全体の9%に留まっており、日本におけるRegTechはまさに始まったばかりとの説明がありました。

RegTech推進に伴う課題

これから日本でRegTechを推進する上での課題として、各国の規制に関する専門的知識、言葉の壁、RegTechエコシステムでのパートナーシップの構築といったRegTech企業の抱える課題と共に、「Trusted Data」のためのデータガバナンスの構築や、AIやRPAといった新興テクノロジーに関わるサードパーティリスクなどのリスク認識といったRegTechを活用する上での企業の課題が浮き彫りになりました。さらに、こうした環境下で、課題を乗り越えるためのコンプライアンスカルチャーの醸成の重要性が語られました。

引き続き行われたイギリス、香港、台湾の専門家とのパネルディスカッションでも、データガバナンスやさまざまななリスク認識と共にRegTechエコシステムの構築について、各国の抱える課題、RegTechの推進をめぐって熱い議論が交わされました。

世界を舞台に今まさに推進されているデジタルトランスフォーメーションや、そこに形成されようとしているRegTechエコシステムにEY Japanも貢献しています。

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