Question
未認識項目を連結貸借対照表のみで認識する場合、未認識項目に係る連結上の税効果の認識は、個々の会社の会社分類等をもとに行うのでしょうか。
Answer
未認識項目を連結貸借対照表上で認識する会計処理は、連結手続の一環であり、連結修正項目により生じた一時差異は連結手続上生じた将来減算一時差異(又は将来加算一時差異)と考えられます。そのため、他の連結修正項目により生じた一時差異と同様に、納税主体ごとに繰延税金資産の回収可能性を判断することになると考えられます。
したがって、個別財務諸表においては、退職給付引当金に係る一時差異に対する繰延税金資産の回収可能性の判断を行い、連結財務諸表においては、個別財務諸表で計上された繰延税金資産の額に連結修正項目についての税効果額を合算した上で、合算額についての回収可能性を判断することになると考えられます。
連結財務諸表における繰延税金資産の回収可能性の判断については、未認識項目を連結貸借対照表上で負債(又は資産)として認識するか否かにより、各納税主体の将来年度の課税所得の見積りが変わるものではないため、回収可能性の判断は個別と連結で同じになり、会社分類についても連結におけるものと個別におけるものは変わらないと考えられます。
さらに、繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い5(2)の退職給付引当金に係る将来減算一時差異に係る解消年度が長期となる将来減算一時差異としての取扱いについては連結修正(未認識項目の負債認識)から生じる将来減算一時差異についても同様に当てはまると考えられます。
根拠条文
- 税効果会計に関するQ&A Q15のA(1)、(2)
- 連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針 第41項
- 繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い 5(2)