債務保証損失引当金の会計処理

2010年3月24日 PDF
カテゴリー 会計実務Q&A

Question 

債務保証損失引当金の計上が必要となるのはどのような場合でしょうか。また、その場合に会計処理はどのようになるのでしょうか。

Answer 

①主たる債務者の財政状態の悪化等により、債務不履行となる可能性があり、②その結果、保証人が保証債務を履行し、その履行に伴う求償債権が回収不能となる可能性が高い場合で、かつ、③これによって生ずる損失額を合理的に見積もることができる場合には、保証人は、当期の負担に属する金額を債務保証損失引当金に計上する必要があります。

具体的には、主たる債務者が、法的、形式的な経営破たんの状態にある場合のほか、法的、形式的な経営破たんの事実は発生していないものの深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない状況にあると認められるなど、実質的に経営破たんに陥っている場合、および経営破たんの状況にはないが経営難の状態にあり、経営改善計画等の進ちょく状況が芳しくなく、今後、経営破たんに陥る可能性が高いと認められる場合には、債務保証損失引当金の計上対象となります。

会計処理は以下の通りです。

(借) 債務保証損失引当金繰入 ××× (貸) 債務保証損失引当金 ×××

金額は、債務保証の総額から、主たる債務者の返済額および担保により保全される額等の求償債権についての回収可能額を控除した額となります。

債務保証損失引当金繰入は、発生事由等に応じ営業外費用ないしは特別損失に計上します。金額は、債務保証の総額から、主たる債務者の返済可能額および担保により保全される額等の求償債権についての回収見積額を控除した額を計上します。なお、主たる債務者の財政状態等に対応して、決算期ごとに見直す必要があります。

根拠条文

  • 監査委員会報告第61号「債務保証及び保証類似行為の会計処理及び表示に関する監査上の取扱い」 4 (1)

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