Question
賃貸等不動産の総額に重要性があるため注記が必要ではあるものの、個々の物件に重要性が乏しい場合には、不動産鑑定評価書を入手しなくてもよいでしょうか。
Answer
本会計基準において、注記が必要とされている「時価」とは、通常、観察可能な市場価格に基づく価額をいい、市場価格が観察できない場合には合理的に算定された価額(「不動産鑑定評価基準」(国土交通省)による方法または類似の方法に基づいて算定)と定義されています。また、契約により取り決められた一定の売却予定価額がある場合には、合理的に算定された価額として当該売却予定価額を用いることとされています。
原則的には上記の方法により時価を算定しますが、開示対象となる賃貸等不動産のうち、重要性が乏しいものについては、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額等を時価とみなすことができるとされており、不動産鑑定評価基準による方法又は類似の方法に基づいて算定する必要は必ずしもないものとされています。また、建物等の償却性資産については、適正な帳簿価額を用いることができます。
なお、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額には、容易に入手できる評価額(実勢価格、査定価格など)や指標(公示価格、都道府県基準地価格、路線価による相続税評価額、固定資産税評価額など)を合理的に調整したものが含まれます。
根拠条文
- 「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」 第4項(1)
- 「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針」第11項、第13項、第33項
- (参考)「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」 第90項