タックスプランニングとは、将来の法人税等の発生につき計画を行うことです。将来の課税所得の発生につき計画を立案することは、繰延税金資産の回収可能性を裏づけるうえで重要なことです。特に、保有している有価証券、不動産等を売却し、その含み益が実現することにより発生する課税所得によって、繰延税金資産の回収を計画している場合には、タックスプランニングが不可欠です。この場合のタックスプランニングは、売却可能性、売却予定時期、実現が予定される含み益の金額の妥当性について十分に検討する必要があります。
有価証券、不動産の中には、処分するにあたって、法的に制限されていたり、取引関係から処分することが現実的ではない場合が考えられます。売却可能性が十分にあり、売却時期も現実的であることが裏づけられて、初めて繰延税金資産の回収可能性があるものといえます。
また、タックスプランニングは、取締役会等で承認された事業計画等で明確になっている必要があります。
さらに、タックスプランニングにより実現される含み益等の金額が妥当であることが必要です。妥当性のある金額とは、契約等で確定している金額や公正な時価(有価証券における期末の時価、不動産における期末前おおよそ1年以内の不動産鑑定評価額等)を意味します。