税務上、単年度の課税所得がマイナスとなり税務上の欠損金が生じた場合、その発生年度の翌期以降で繰越期限切れとなるまでの期間(「繰越期間」という)に課税所得が生じた場合には、課税所得を減額することができます。繰越欠損金とは、この制度により将来に繰り越す欠損金をいいます。
繰越欠損金は、繰越期間における課税所得から繰り越された欠損金を控除することにより、それに対応する税額が減少することから、一時差異に準じるものとして取り扱います。
ここで留意すべき点は、繰越欠損金が将来の税金負担額を軽減する効果を有するのは、繰越欠損金の繰越期間に課税所得(繰越欠損金控除前)が発生することが前提となることです。よって、繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上にあたっては、その回収可能性を慎重に判断することが必要です。
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