会計情報トピックス 浅井哲史
企業会計基準委員会から平成27年1月16日に公表
平成27年1月16日にて、企業会計基準委員会(ASBJ)から改正実務対応報告第5号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」及び改正実務対応報告第7号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」(以下「本実務対応報告」という。)が公表されました。なお、本実務対応報告は、平成26年度税制改正における地方法人税の創設に伴い、その記載内容を改正するものであり、連結納税制度を適用している場合の税効果会計の考え方について変更を行ったものではないとされています。
1. 本実務対応報告の概要
連結納税制度を適用している場合の地方法人税に係る税効果会計の取扱いが明確にされました。
(1)連結納税主体における連結財務諸表上の取扱い
- 地方法人税法では、連結納税制度を適用している場合、地方法人税の課税標準である基準法人税額は、連結事業年度の連結所得の金額から計算した法人税の額とするとされており、地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性の判断は個別所得見積額だけでなく、連結所得見積額も考慮して行うこととなることから、連結納税制度を適用する場合の地方法人税に係る税効果会計の考え方は、法人税と同様の取扱いとされています。
- 連結財務諸表において、地方法人税に係る繰延税金資産の回収可能性は、連結納税主体を一体として判断することになり、本実務対応報告ではその旨の記載を追加する等の所要の改正が行われています。
(2)連結納税会社における個別財務諸表上の取扱い
連結納税制度を適用する場合の地方法人税の個別帰属額は連結納税会社ごとに把握できるため、本実務対応報告では、連結納税会社の個別財務諸表において、地方法人税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は、連結納税会社ごとに計算される旨の記載を追加する等の改正が行われています。
2. 適用時期
本実務対応報告は、公表日(平成27年1月16日)以後適用し、その適用については、会計方針の変更とは取り扱わないとされています。
なお、本稿は本改正の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。