会計情報トピックス 会計監理部
安原明弘
平成25年5月20日に法務省令第16号が公布されました
平成25年5月20日に、法務省より「会社計算規則の一部を改正する省令」(平成25年5月20日法務省令第16号)が公布され、会社計算規則の一部改正が行われています。
1. 改正の趣旨
企業会計基準委員会の「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)の公表等を踏まえ、会社計算規則(平成18年 法務省令第13号)の一部を改正するものです。
2. 改正の内容
(1)連結計算書類に関する改正
連結貸借対照表の項目として「退職給付に係る資産」(改正後の会社計算規則第74条第3項第4号ニ)、「退職給付に係る負債」(改正後の会社計算規則第75条第2項第2号ニ)及び「退職給付に係る調整累計額」(改正後の会社計算規則第76条第7項第5号、第9項第3号)を連結株主資本等変動計算書の項目として「退職給付に係る調整累計額」(改正後の会社計算規則第96条第5項第5号、第9項第3号)をそれぞれ追加しています。
(2)計算書類に関する改正
前払年金費用が投資その他の資産に属することが明記されました(改正後の会社計算規則第74条第3項第4号ニ)。
(3)改正内容に関する法務省の考え方
改正案によせられた意見に関する法務省の考え方で、以下の点が説明されています。
①「退職給付に係る資産」(改正後の会社計算規則第74条第3項第4号ニ)、「退職給付に係る負債」(改正後の会社計算規則第75条第2項第2号ニ)等の定義は退職給付会計基準によって明らかであるため、特段の定義規定は設けないこととしたと説明されています。
②改正後の会社計算規則第76条第9項第3号ハ、及び第96条第9項第3号ハの「その他退職給付に係る調整累計額に計上することが適当であると認められるもの」には、会計基準変更時差異の未処理額が含まれると説明されています。
③連結計算書類において「退職給付に係る負債」の計上基準は、重要性がある場合には、「その他連結計算書類の作成のための重要な事項」(会社計算規則第102条第1項第3号ニ)として記載することになると説明されています。
④退職給付の会計処理基準に関する事項が、会社財産又は損益の状態を正確に判断するために必要である場合には、重要な会計方針に係る事項に関する注記(会社計算規則第98条第1項第2号、第101条第3号)として記載することになると説明されています。
⑤企業の採用する退職給付制度の概要が、会社財産又は損益の状態を正確に判断するために必要である場合には、その他の注記(会社計算規則第98条第1項第19号、第116条)として記載することになると説明されています。
3. 施行時期及び経過措置
(1)施行時期
平成25年5月20日から施行されます。
(2)経過措置
平成25年4月1日前に開始する事業年度に係る計算関係書類についてはなお従前の例によることとされています。
なお、本稿は改正省令の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。