税制改正に伴う税効果会計に関するQ&Aの改正のポイント

2012年2月16日
カテゴリー 会計情報トピックス

会計情報トピックス 吉田剛

日本公認会計士協会から平成24年2月14日付で公表

日本公認会計士協会(会計制度委員会)は、平成24年2月14日付で「『税効果会計に関するQ&A』の改正について」(以下「改正税効果Q&A」という。)を公表しています。

改正税効果Q&Aでは、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」(平成23年法律第114号)による法人税法の改正(以下「改正法人税法」という。)及び「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(平成23年法律第117号)(以下「復興財源確保法」といい、改正法人税法と併せて「改正法人税法等」という。)が平成23年12月2日に公布されたことに伴う会計処理への影響のうち、年度決算及び中間決算における税効果会計適用上の取扱いについて、実務上の対応が示されています。基本的には、これまでに公表されている会計基準等における取扱いを改めて確認する内容となっており、この他に、税率変更の影響額の注記に係る算定方法(期末の一時差異等を基礎とする考え方)が示されました。

1. 改正税効果Q&Aの概要

現行の会計基準等などの定めのうち、以下の取扱いなどが確認されています。

  • 改正後の税率を適用する時期(改正税効果Q&A Q14(1))
    改正法人税法等が決算日までに公布されている場合、税効果会計の適用上、改正後の税率に基づき算定することになり、公布日が決算日よりも後である場合には、一定の注記を行うことになる旨が示されています。
  • 回収又は支払が行われると見込まれる期の税率(改正税効果Q&A Q14(3))
    監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」5の会社分類が①の会社も含め、期末における一時差異の将来解消見込年度のスケジューリングを実施し、改正法人税法等に基づく将来解消見込年度に適用される税率により繰延税金資産又は繰延税金負債の金額を算定する必要がある旨が示されています。
  • スケジューリングが不能な一時差異の取扱い(改正税効果Q&A Q14(4))
    スケジューリングが不能な一時差異については、その他有価証券の評価差額に係るものも含め、復興財源確保法に基づく復興特別法人税の課税を含まない税率に基づき、繰延税金資産及び繰延税金負債の算定を行うことになる旨が示されています。

2. 適用時期等

Q&Aという性格から、適用時期は特に示されていませんが、公表日から適用となるものと考えられます。

3. 公開草案から修正された点

1. に記載した点に加えて、税率変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の修正額の注記に関して、当該修正額の算定方法が明示されました。具体的には、今回の税率変更が、改正税法の公布日を含む事業年度の翌期以降に適用となるため、公布日を含む事業年度の期末現在の一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高に新税率と旧税率との差額を乗じて当該修正額を算出することになるものとされました(改正税効果Q&A Q14(2))。

なお、本稿は改正税効果Q&Aの概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

なお、本稿は本公開草案の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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