2024年第1四半期 世界のIPO分析:変わりゆく環境の中で、IPOを成功に導くためには

執筆者 George Chan

EY Global IPO Leader; EY Greater China Assurance COO

Passionate about helping clients excel in this transformative age. Keen reader. Movie fan.

4 分 2024年6月7日

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2024年第1四半期:世界のIPO市場シェアが過去5年と比べ大きく変化

要点
  • 2024年第1四半期の世界全体のIPOは前年同期比で件数が7%減少したものの、調達額は7%増加した。
  • 評価額の水準が引き上げられた背景には、発行体と投資家の信頼感が高まっていることがある。
  • 2024年に入り、プライベートエクイティ(PE)が関与したIPOのイグジットが盛り上がりを見せ、2024年第1四半期の平均調達額は2023年から26%増加した。

今年は、休眠期間を経て、一部に動きが見られ、慎重ながらも楽観的なスタートとなりました。Americas(北・中・南米)とEMEIA(欧州・中東・インド・アフリカ)のIPO市場は、世界のIPO調達額を7%押し上げ、2024年に明るいスタートを切りました。一方、世界のIPO件数は、いつもは動きが活発なAsia-Pacific(アジア・パシフィック)が足を引っ張る形となり、引き続き前年同期比で7%減少しています。2024年第1四半期の世界全体のIPOは件数が287件、調達額が237億米ドルでした。これらの調査結果は、世界のIPOデータを分析して今後1年間の市場動向と見通しを見極める四半期レポート「EY Global IPO Trends Q1 2024」に掲載されています。

  • 調査方法

    EYは、2024年(3月18日まで)のIPOデータを分析し、2024年の主要なIPO市場トレンドと見通しを判断しました。この分析では、Dealogic、S&P Capital IQ、Mergermarket、PitchBookから提供されたデータを利用しました。本レポートで使用したDealogicのデータは、IONがライセンスを保有し、当該データに関するすべての権利をIONが保持しています。SPAC(特別買収目的会社)によるIPOは、特に記載のない限り、本レポートのすべてのデータから除外されています。

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    この棒グラフは、2020年から2024年第1四半期までのIPO件数の推移により、世界のIPO活動の動向を表しています。全データは次の通りです。2020年は1,452件、2021年は2,436件、2022年は1,415件、2023年は1,351件、2024年第1四半期は287件。

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    この棒グラフは、2020年から2024年第1四半期までのIPO調達額の推移により、世界のIPO活動の動向を表しています。全データは以下の通りです。2020年は2,713億米ドル、2021年は4,599億米ドル、2022年は1,843億米ドル、2023年は1,261億米ドル、2024年第1四半期は237億米ドル。

IPOを巡っては、長年にわたり評価額が買い手と売り手の間で乖離していました。しかし、金融引き締めを受けて市場が価値を調整する傾向にある現状を踏まえ、売り手側が評価額を下げています。一方、投資家が金利引き下げの可能性を見据えているため、一部主要国の株式市場が活況を呈しています。このような環境変化の中で、買い手と売り手の評価額ギャップが縮まることを期待する声が高まっています。

2024年第1四半期は、大半の主要IPO市場で、時価が公開価格を上回っている新規上場企業が多く見られました。この傾向は、発行体と投資家の信頼感の高まりが、評価額と価格水準の改善につながったことを示唆しています。IPOに有利な株式市場の環境が整っている日本では、IPO件数が顕著に増加し、欧州と中東では、IPOの投資リターンが上昇しました。一方で、米国、ASEAN、インドでは、前四半期と比べて安定した動きとなっています。

製造業/消費財/テクノロジーセクターは、IPOの件数が最も多いトップ3であり、前年同期比で公開後のパフォーマンスの向上が最も大きかったのもこの3セクターです。対照的に金融セクターでは、優れたパフォーマンスを示すIPOの数が大幅に減少しました。その主な原因は、IPO後の市場状況が停滞/悪化した国々における小規模案件のパフォーマンスの低迷です。

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    この図は、公開後のパフォーマンスについて、上場企業の時価が公開価格をどの程度上回っているかを測り、その上昇幅の割合の推移を地域別に示しています。2023年第1四半期と2024年第1四半期を比較し、上昇幅の割合をパーセンテージで示しています。米国では上昇幅の割合が2023年第1四半期は30%、2024年第1四半期が38%。欧州では2023年第1四半期は63%、2024年第1四半期が88%。中東では2023年第1四半期は55%、2024年第1四半期が71%。中国本土では2023年第1四半期は43%、2024年第1四半期が89%。日本では2023年第1四半期は59%、2024年第1四半期が100%。ASEANでは2023年第1四半期は45%、2024年第1四半期が48%。インドでは2023年第1四半期は70%、2024年第1四半期が72%でした。

IPOは、プライベートエクイティ(PE)企業にとって成功の証しの1つです。自社の優れた洞察力を広く知らしめることができ、また成長を続ける上での明確なマイルストーンにもなります。さまざまなマクロ経済的・地政学的要因によりディールメーカーがIPO取引から撤退する中、ここ2年間にIPOのイグジット活動が減少していたにもかかわらず、世界全体ではIPOイグジット時のEV/EBITDA倍率は、戦略的買収やスポンサー売却に比べ平均で40%強高くなっています。世界的にインフレ率の低下が続き、中央銀行が金利引き下げにかじを切る中、2024年はIPOのイグジット環境が安定するとみられ、PE企業の3分の2が、今年はIPOのイグジット活動が増えると予想しています。

2024年第1四半期は、PEが関与したIPOが約10件ありました。そのうち5件が世界のIPO上位10位にランクインしており、市場で大きな存在感を示しています。その中に、ドイツのDouglas AGと米国のBrightspring Health ServicesのIPOが含まれています。2024年第1四半期にPEが関与したIPOの調達額の中央値は、前年同期の中央値を26%上回りました。また、PEが関与したIPOのIPO後の評価額の中央値は、ベンチャーキャピタル(VC)が関与したIPOと非金融機関が関与したIPOのそれを前者は2.5倍、後者は31倍とかなり上回っています。この優れたパフォーマンスと合わせて、PE企業によるIPOのイグジット活動の活発化が見込まれることによって、2024年初頭から、PE企業によるIPO市場の活用が急速に活発化しているといえます。

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    2024年に入り、PEが関与したIPOのイグジット活動が活発化している状況を4つのグラフで示しました。

    最初のグラフは、2022年から2024年第1四半期までのEV/EBITDA倍率平均値の推移を取引タイプ別に示しています。EV/EBITDA平均値は、買収が10.8倍、バイアウトが14.1倍、IPOが19.7倍です。また、IPOのイグジット活動の倍率は、他の2つのそれを40%以上上回っています。

    2番目は、PEが関与したIPOの調達額の中央値を示したグラフです。調達額の中央値は2023年第1四半期が4億2,600万米ドル、2024年第1四半期が5億3,800万米ドルですので、前年同期比で26%以上上昇したことになります。

    3番目のグラフは、PE、VC、非金融機関がそれぞれ関与したIPOの2024年第1四半期における評価額の中央値を示しています。2024年第1四半期の評価額の中央値は、PEが関与したIPOが16億1,500万米ドル、VCが関与したIPOが4億5,800万米ドル、非金融機関が関与したIPOが5,000万米ドルです。また、2024年第1四半期の評価額の中央値は、PEが関与したIPOが、VCが関与したIPOを253%上回りました。

    4番目の円グラフは、PE企業の3分の2が2024年はIPOのイグジット活動が活発化すると予想していることを示しています。「2024年に、IPO活動がイグジットの大幅な増加に寄与するとの見通しについて、どの程度そう思いますか」という質問に対して、回答者の23%が「強くそう思う」、45%が「ややそう思う」、11%が「どちらともいえない」、18%が「あまりそう思わない」、3%が「全くそう思わない」と回答しました。

人工知能(AI)分野は、プライベート領域で著しい成長を遂げており、AI企業やAI関連企業の大半は、まだベンチャーキャピタル(VC)ラウンドのシード期かアーリーステージにあります。これらは大半が米国企業ですが、分野はテクノロジーに限らず、ヘルスケア・ライフサイエンスや消費財などさまざまです。VCラウンドのシード期やアーリーステージにあるこれら企業の数は、VCラウンドのレイトステージやプライベートエクイティ・フェーズにあるそれを大幅に上回っており、AI企業とAI関連企業がプライベート領域で発展していることが分かります。つまり、これらの企業が成熟し、将来の成長に向けて公開市場の活用を図るようになるため、今後数年でIPOの波が到来する可能性を示しています。

アイスランドの氷河ラグーンでサップをする男性

EYの最新のIPO市場動向レポートをダウンロードする

「EY Global IPO Trends Q1 2024」レポートでは、さらに深い分析と洞察を紹介しています。

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エリア別パフォーマンスの概要:Americas、EMEIAのIPO市場は回復し、Asia-Pacificは急落

継続的なマクロ経済的・地政学的動向を受けて、世界のIPO市場の地理的構成は著しく変化しています。

Americas(北・中・南米)のIPO活動は引き続き堅調で、52件(前年同期比で+21%)、調達額が84億米ドル(+178%)となりました。2024年第1四半期の上位7件のすべてのディールでは、調達額が5億米ドルを超えましたが、2023年第1四半期で超えたのは、わずか1件でした。米国ではIPO調達額が、2022年に過去20年間で最低を記録したものの、昨年から続く市況回復の波に乗って、2024年第1四半期にようやく大幅に上昇しました。

Asia-Pacific(アジア・パシフィック)では、地域全体に漂うIPO市場の低迷ムードによって、IPO活動は第1四半期に119件(前年同期比で-34%)、調達額が58億米ドル(-56%)にとどまりました。特に急激な減少が顕著なのは、中国本土と香港で、取引件数が半分以上、調達額も3分の2近く減少しています。中国本土、香港は共に、IPO活動が過去数年にわたり一貫して減少しています。Asia-Pacificで第1四半期に取引件数が微増したのは、日経平均が2月に過去最高値を記録した日本だけです。

EMEIA(欧州、中東、インド、アフリカ)のIPO市場は、年初に目覚ましい伸びを見せ、第1四半期のIPO件数が116件(前年同期比+40%)、調達額が95億ドル(+58%)となりました。この急増は、欧州とインドにおけるIPOの平均調達額の増加により、EMEIAは2023年第4四半期以降、調達額ベースで世界のIPO市場で1位維持していることに起因しています。2019年以降、特にインドはIPO件数の多さで急に注目を集め、抜きんでた存在となっています。

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    この棒グラフは、2024年第1四半期の地域別IPOの件数と調達額を、2023年第1四半期と比較した変動率で示しています。地域ごとの全データは次の通りです。世界全体では、IPO件数が7%減少し、全体の調達額は7%増加しました。Americasでは、IPO件数が21%増加し、調達額は178%も増えました。Asia-Pacificでは、IPO件数が34%減少し、調達額も56%減りました。EMEIAでは、IPO件数が40%増加し、調達額も58%増えました。

2024年第2四半期の見通し:不確実性が高まる中、限られたチャンスを生かす

「2024年、IPO市場は未知の領域に入りつつあります。投資家は金利環境の変化を受けて、確実に採算性を見込める案件へとシフトしています。IPO候補企業は、その影響を受けつつ、地政学的状況の複雑な動向と過熱するAIブームにも直面しています。この変化の中で、IPO候補企業が成功を収めるには、常に柔軟に対応し上場の適切な好機を捉える準備を整えておかなければなりません」とEY Global IPO LeaderのGeorge Chanは言います。

2024年は今までのところ、IPO活動が活発化しており、IPO市場は好調の兆しを見せています。過去数年間、市場活動全体が低調でしたが、IPO発行体と投資家の双方の意欲が高まり、市場動向の変化や上場がより歓迎される環境になっています。

2024年は先進国が緩やかな成長を示す一方、新興国・地域は堅調な成長を続け、世界経済は緩やかな成長軌道をたどることが予想され、主要国の株式市場は金利引き下げを想定しています。

投資家やIPO候補企業は、金利上昇と流動性低下という新たな状況に対応し、地政学的環境の変化および世界の選挙情勢によって複雑さを増すIPO市場を乗り切る必要があります。選挙における不確実性が高まる中、IPO候補企業に今後求められるのは、選挙結果を注視し、特定の政策がステークホルダーの利害にどのような影響を及ぼすかを見極め、必要に応じてIPOの戦略と時期を見直すことです。

世界のIPO

株式公開の手引き

株式公開の手引きは、IPO前、IPO期間中、そしてIPO後において、企業が戦略的に検討すべき事項を取り扱っています。

ダウンロード(英語版のみ)

IPOを成功に導く可能性を最大化するために企業が取るべき対策に関して、より詳細な洞察を参照するにはEYの株式公開の手引き(PDF、英語版のみ)をダウンロードしてください。

  • 調査方法

    EYは、2024年(3月18日まで)のIPOデータを分析し、2024年の主要なIPO市場トレンドと見通しを判断しました。この分析では、Dealogic、S&P Capital IQ、Mergermarket、PitchBookから提供されたデータを利用しました。本レポートで使用したDealogicのデータは、IONがライセンスを保有し、当該データに関するすべての権利をIONが保持しています。SPAC(特別買収目的会社)によるIPOは、特に記載のない限り、本レポートのすべてのデータから除外されています。

  • 全グラフのデータ定義

    本記事と「EY Global IPO Trends Q1 2024」に掲載されているデータは、特に明記されていない限り、出典はDealogic、S&P Capital IQ、Mergermarket、PitchBookおよびEYの分析結果です。本レポートで使用したDealogicのデータは、IONがライセンスを保有し、当該データに関するすべての権利をIONが保持しています。SPACによるIPOは、特に記載のない限り、本レポートのすべてのデータから除外されています。

    2024年第1四半期のデータは、2024年1月1日から3月18日までに完了したIPOと、2024年3月31日までに完了すると予想されるIPO(2024年3月18日時点での予測)を対象としています。2023年第1四半期のデータは、2023年1月1日から3月31日までに完了したIPOを対象とし、2023年通年は、2023年暦年を指し、そのデータは2023年1月1日から12月31日までに完了したIPOを対象としています。

    • これらのレポートやニュースリリースに記載するIPO統計の集計にあたっては事業会社のIPOのみを対象とし、IPOを「企業が新規に上場し、市場に株式を公開すること」と定義しています。
    • 本レポートの対象は、取引初日(証券取引所で取引が開始された日)と取引金額(オーバーアロットメントによる売り出しを含めた調達資金)に関するデータをDealogicとEYのチームが提供しているIPOのみです。
    • どの四半期のディールとして扱うかを決めるのは取引初日です。そのため、延期されたIPO、あるいは公募価格がまだ決められていないIPOは除外されています。店頭(OTC)上場も対象外としています。
    • 信託、ファンド、特別買収目的会社(SPAC)など、事業会社以外のIPOを除外するため、標準産業分類(SIC)の以下のコードに該当する企業は対象から外しています。
      • 6091:信託・保証・管理業務を行う金融事業者
      • 6371:厚生基金、年金基金、それらの事務代行会社(TPA)、その他の金融ビークルなどの資産運用会社
      • 6722:オープンエンド型投資ファンド会社
      • 6726:その他の金融ビークル会社
      • 6732:助成金を交付する基金事業者
      • 6733:信託、財産、代理店勘定を扱う資産運用会社
      • 6799:特別買収目的会社(SPAC)
  • 地域別IPO銘柄パフォーマンスの定義

    • アフリカには、アルジェリア、ボツワナ、エジプト、ガーナ、ケニヤ、マダガスカル、マラウイ、モロッコ、ナミビア、ルワンダ、南アフリカ、タンザニア、チュニジア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエが含まれる。
    • Americas(北・中・南米)には、アルゼンチン、バミューダ、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エクアドル、ジャマイカ、メキシコ、ペルー、プエルトリコ、米国が含まれる。
    • ASEAN(アセアン)には、ブルネイ、カンボジア、グアム、インドネシア、ラオス、マレーシア、モルディブ、ミャンマー、北マリアナ諸島、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナムが含まれる。
    • Asia-Pacificには、上記のASEAN諸国、以下に示す中華圏、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、パプア・ニューギニアが含まれます。
    • EMEIA(欧州、中東、インド、アフリカ)には、アルメニア、オーストリア、バングラデシュ、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、インド、アイルランド、マン島、イタリア、カザフスタン、ルクセンブルク、リトアニア、オランダ、ノルウェー、パキスタン、ポーランド、ポルトガル、ロシア連邦、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国のほか、以下に示す中東諸国、上記のアフリカ諸国が含まれます。
    • 中華圏には、中国、香港、マカオ、台湾が含まれる。
    • インド地域のIPO取引には、インドおよびバングラデシュの証券取引所におけるIPOが含まれます。
    • 中東には、バーレーン、イラン、イスラエル、ヨルダン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、アラブ首長国連邦、イエメンが含まれる。
  • セクター別のIPOディールとIPO取引金額の定義

    企業の標準産業分類(SIC)コードを使用したトムソン・ロイター社の産業分類に従ってセクターを分類しています。11のセクターがあり、それぞれの産業名と定義は以下の通りです。横軸にセクターが11あります。

    • 消費財:「消費必需品」と「消費財・サービス」を合わせたセクター。具体的な対象産業:農業・畜産、飲食、家庭・個人用品、繊維・アパレル、たばこ、教育サービス、人材サービス、家具・インテリア、法務サービス、その他の消費財、プロフェッショナルサービス、旅行サービスなど 
    • エネルギー:具体的な対象産業:代替エネルギー源、石油・ガス、その他のエネルギー・電力、石油化学製品、パイプライン、電力、水・廃棄物管理など
    • 金融:具体的な対象産業:資産運用、銀行、証券会社、信用機関、各種金融、政府系企業、保険、その他の金融など
    • ヘルスケア・ライフサイエンス:具体的な対象産業:バイオテクノロジー、医療機器・用品、ヘルスケア事業者・サービス(HMO)、病院、製薬企業など
    • 工業:具体的な対象産業:航空宇宙・防衛、自動車・部品、建築/建設・エンジニアリング、機械、その他の工業、運輸、インフラなど
    • 素材:具体的な対象産業:化学、建設資材、容器・包装、金属・鉱業、その他の素材、紙・森林製品など
    • メディア・エンターテインメント:具体的な対象産業:広告・マーケティング、放送、ケーブルテレビ、カジノ・賭博、ホテル・宿泊、映画・AV、その他のメディア・エンターテインメント、出版、レクリエーション・レジャーなど
    • 不動産:具体的な対象産業:非住居用、その他の不動産、不動産管理・開発、住居用不動産など
    • 小売:具体的な対象産業:アパレル小売、自動車小売、コンピューター・電子機器小売、ディスカウントショップ、百貨店、飲食店、住宅リフォーム、通販(オンラインとカタログ)、その他の小売など
    • テクノロジー:具体的な対象産業:コンピューター・周辺機器、電子機器、インターネットソフトウエア・サービス、ITコンサルティング・サービス、その他のハイテクノロジー、半導体、ソフトウエアなど
    • テレコム:具体的な対象産業:その他のテレコム、宇宙・人工衛星、電気通信設備、電気通信サービス、無線など

過去のIPOレポート


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サマリー

継続的なマクロ経済的・地政学的動向を受けて、世界のIPO市場の地理的構成は変化し、買い手と売り手の間で生じていた評価額の乖離が縮まっています。プライベートエクイティが関与したIPOのイグジット活動は盛り上がりを見せ、AIの台頭は、IPOが今後急増する可能性を示唆しています。

2024年にIPOを検討している企業は、インフレ、金利、選挙、地政学的緊張、AIの影響、ESG課題などの要因を考慮し、徹底的な準備に注力すべきです。また、2024年の限られたIPOのチャンスを生かすために、質の高いエクイティストーリーを発信し、強固な基礎を築き、価格に対する期待に対応する必要があります。

この記事について

執筆者 George Chan

EY Global IPO Leader; EY Greater China Assurance COO

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